コロの友だちで、なんでも否定ばっかりする子がいるのニャ
最初は我慢してたけど、だんだん腹が立って来たのニャ!
どうすればいいのかニャ
なるほどね。きっとその人は[イエス バットゲーム]を仕掛けるな!
コミュニケーションにはいろんなタイプのゲームがあって、僕たちを悩ませることが多いんだ!
代表的なものをここで勉強していこう!
あなたの周りには、何でもかんでも否定してくる人はいませんか?
もしくは、あなた自身がそうなってはいませんか?
なんでも否定から入ってくる人と話していると、自分自身が否定されたような気持ちになってしまい、悲しくなったりイライラしてしまいますよね。
その他にも、「他人を見下すような態度を取る人」や、「過度にネガティブな人」など、付き合っていく上で、こちらのストレスが溜まってしまうような人って実は周りにたくさんいるんです!
この記事では、イライラの溜まりやすい人間関係をターゲットにして、その対処法を学んでいきます。と同時に、自分自身のコミュニケーションを振り返ってみましょう!
今回は臨床心理学の中でも、「交流分析」という手法を使って説明していきます!
それではいってみましょう!
交流分析で人間関係を分析しよう!
「否定から入る人」への対処法を見ていく前に、少しだけ交流分析について紹介します。
交流分析とは?
私たちは、日々の生活を送る上で、人とのコミュニケーションを全く取らないで生きていくことはできません。
交流分析とは簡単にいうと、その名の通り「人と人との交流を分析する理論」であり、アメリカの精神科医E.バーン氏によって提唱されました。
私たちは、日頃のコミュニケーションで無意識のうちに自分のスタイルを持っています。
このスタイルは人と人とが関わる中で発揮されて、時には悪さをしてしまうことがあります。
交流分析では、日常のコミュニケーションの場面を分析して、自分のスタイルや相手のスタイルを理解することで、人間関係のイライラやストレスを解消することを目指します。
私たちは会話の相手からの反応を受け取っている
交流分析では、私たちは会話の相手から何かしらの反応を受け取っていると考えます。
たとえば、「おはよう」と挨拶したら、相手からも「おはよう」と言う言葉が返ってきますよね。
これも相手からの反応です。
また、恋人に構って欲しくて「私のこと好き?」と聞くと、「好きだよ」と返ってくる。
こんなものも、相手からの反応です。
私たちは、コミュニケーションを取る中で相手からの反応を期待しているのです。
ここはとても重要なポイントなので、もう少しだけ詳しく説明します。
人は誰しもかまって欲しい?
自分の存在を認めてもらいたい
みなさんは、会話をしている相手が何も喋らず無反応だったらどんな気持ちになりますか?
もちろん、悲しいですよね。人によっては怒る人もいるでしょう。
私たちは無意識のうちに、コミュニケーション相手から何かしらの反応を期待しているのです。
交流分析では、相手から反応を得ることは「自分の存在や価値を認めてもらえること」としています。
そのため、私たちは、日常的に相手から反応を求めているのです。
たとえばテストでいい点をとった子どもは、褒めてもらえることを期待して、お母さんにテストの結果をいち早く報告するでしょう。
ちなみに、相手から受け取る反応を専門的には「ストローク」と呼んだりします。
無視されるよりは否定されたい
さて、相手からもらえる反応は「褒める」のように好意的なものばかりではありません。
中には、「叱られる」や「バカにされる」のように否定的な反応もあります。
一見すると、否定的な反応はできることなら避けたいと思います。
しかし、私たちは厄介なことに無視されるより否定的な反応でももらえる方がマシと考えてしまうのです。
いたずら好きな子どもが良い例です。
親の愛情が不足している子どもは、叱られてでもいいからこっちを向いて欲しいと思い、いたずらを繰り返してしまうのです。
そして、この「否定的な反応でももらえる方がマシ」と言う考えがコミュニケーションをややこしくしてしまうのです!
自分の価値を認めるためにゲームを仕掛ける
私たちは肯定的であれ否定的であれ、自分の価値を認めるために相手からの承認を求めているということがお分かりいただけたでしょうか?
そして時には「承認」を得るために、少し変わったコミュニケーションを取ることがあります。
交流分析ではそのコミュニケーションを「ゲーム」と呼んだりします。
相手にゲームを仕掛けることで、望ましい反応を引き出そうと考えるのです。
このゲームの一つが、「何でも否定から入る」コミュニケーションなのです!
確かに、相手の反応が欲しい時ってある気がするニャ
SNSとかもこれに近いのかもしれないニャ!
お!いい着眼点だね!
もしかすると、SNSの投稿も相手からの反応を求めているかもしれないね!
何でも否定から入るコミュニケーションはこれが原因だ!
タイトルにもある「何でも否定から入る人」は、まさにゲームを仕掛けている可能性が高いです!
そのゲームとはズバリ、イエス バット(Yes but)ゲーム!
イエス バット(Yes but) ゲームとは?
否定から入る人がやってしまいがちな会話が「イエス バット」のコミュニケーションです。
これは、相手からのアドバイスや意見を全て否定で返すというものです。
まずは、こちらの事例を見てみましょう
イエス バットのコミュニケーション
私って、全然モテないのよ・・・
誰かいい人いないかしら・・
そんなことないわよ!
綺麗だし、家庭的だし!
街コンでも行ってみたら!
全然そんなことないのよ・・・ほんとはズボラだし・・・
話が下手だから街コンなんか行っても無駄だと思うわ・・・
そしたら、今の職場でいい人はいないのかしら?
私でよければ相談に乗るわよ!
でも、職場の人となると色々面倒だし・・・
相手の助言に対してすべて「でも」で返すのがこのパターンの特徴です。
これでは、相談に乗る方もイライラしてしまいますよね
それでは、一体なぜこのようなコミュニケーションを取るのでしょうか?
ポイントはやはり、自分の価値を認めることです!
「でも」を繰り返すことで、相手に対して、「あなたは自分のことをどうせわかってくれないでしょう」という気持ちを表現しているのです。
もっと簡単にいうと、自分の方が相手よりも優位に立っていることを示したいのです!
相手のアドバイスや意見を全て否定することで、結局は相手も自分のことをどうせわかってくれないということを相手に伝えることができるのです。
ここで一つ注意して欲しいのが、この反応は無意識のうちにしている場合がほとんどだということです。
また、中には「誰も私のことをわかってくれない」という自己否定的な感情から、イエス バットゲームを仕掛ける場合もあります。
イエス バット ゲームへの対処
それでは、こうしたコミュニケーションを仕掛けてくる人にはどう対処すれば良いのでしょうか?
このゲームを仕掛けてくる人は、自分の悩みに対する解決策を見つけることを目的としていないことが多いです。
先程の例では、「自分がどうすればモテるのか」真剣に悩んでいるわけではありません。
相手の意見や助言を拒むことが目的なのです。
まずは、ここを押さえておきましょう。
相手が、問題解決を求めていないのであれば、その解決策に主眼を置くのではなく、感情的な関わりの方が大切でしょう。
たとえば、失敗してしまったことに共感的に接してあげたり、相手の不安やネガティブな感情を想像してあげることが大切です!
また、アドバイスをするだけでなく時には「あなたはどう思っているの?」や「あなたはどうしたい?」のように、相手に解決策を尋ねてみることが効果的です。
他にもあった!あなたを悩ますコミュニケーション
さて、本記事のテーマになっているイエス バット ゲーム以外にも、日常生活であなたを悩ませるコミュニケーションにはいくつかのパターンがあります。
ここでは他のパターンを紹介していきます!
キックミー(Kick me) ゲーム
次は、キックミーゲームです。
キックミーとは直訳すると「自分を蹴飛ばしてくれ!」という意味で、自分のことを否定してもらおうとするコミュニケーションになります。
先ほども説明したように、無視されるよりも否定される方がマシだという考えがこのゲームの裏には隠されています。
このゲームを仕掛ける人は、相手の反感を買うような言動を繰り返して、自分のことを拒絶してもらおう!という策略が裏に隠されています。
このパターンは下のような事例がよく当てはまります。
キックミーゲームへの対処と自分がそうならないために
キックミーゲームを仕掛ける人は、自分に対する自信がないことが特徴です。
これまでの経験の中で、自分に対する周囲からの肯定的な評価が少ないため、否定的な反応でいいから欲しがるのが、キックミーゲームです。
このパターンもイエスバットと同様に、自分ではゲームを仕掛けているつもりがないのが特徴です。
キックミーゲームを仕掛けてくる人との会話では、自分自身がこのゲームに参加しないことが大切です。
相手がゲームを仕掛けてきているなあと思ったら、「否定的な反応」を投げかけるのではなく、相手に関心を寄せて話を聞いてあげましょう
一方で、自分自身がキックミーゲームを仕掛けているかもと感じた時、つまり周囲からネガティブな評価ばっかりもらっているな、と感じた時には、一度立ち止まってみましょう。
先ほど説明した通り、キックミーゲームは自分に自信がないことが特徴です。
自分の長所を見つけてあげることで、自分に自信をつけてあげることも重要です。
長所を見つけるのが難しいと言う方は、毎日の生活の中でポジティブに感じたことを記録するノートを作ってみてください。
そのノートを見返すと、自分のことを肯定的に捉えることができるようになるかもしれません!
ディスカウント(Discount) ゲーム
最後にディスカウントについてみていきましょう。
ディスカウントは直訳すると「値引き」や「割引」という意味になり、自分の能力や相手の能力を値引きして考えるというパターンです。
このパターンは、自分に対する値引き、相手に対する値引きの2タイプがあります。
これも事例を見てみましょう
ディスカウントの例
みんな、この企画に対して何か意見はあるか?
(どうせ、部下たちはいいアイデアなんて持ってないだろう・・・)
いいえ、特にありません・・・
(どうせ私の意見なんて・・・)
そうか。わかった。
(もう少し積極的になってもらわないと困るな。)
この例では、上司は部下の能力を低く見積もっています。
表面上は部下に意見を求めていても、態度や口ぶりで「どうせ大した意見は出ないだろう」と思っていることが伝わってしまい、部下が意見を言いづらくなっています。
そして、相手の能力を低く見積もると、失敗を相手やその場の状況のせいにしてしまい、不当に相手を責めることにもつながります。
逆に、部下は部下で、自分自身の能力を低く見積もっているため、「どうせ自分の意見なんて大したものじゃない」と考えてしまい、自分の意見を引っ込めてしまいました。
このように、相手や自分の能力を低く見積もることで、思うようなコミュニケーションが取れないのが、ディスカウントなのです。
また、自分の能力を低く見積もると「どうせ無理だから」と、消極的になってしまうこともあります。
まとめ
今回の記事では、「否定から入るコミュニケーション」に対する対処法について交流分析の観点から勉強してきました。
交流分析では、「否定から入るコミュニケーション」は相手からの承認を欲しがることが原因でした。
その対処法も含めて一度まとめておきましょう!
また、「イエスバット」ゲーム以外にも、あなたを悩ませる人間関係の背景には、たくさんのゲームが潜んでいる可能性があります。
人間は一人で生きていくことはできません。日常生活を営む上で、コミュニケーションは不可欠です。
それならば、少しでもコミュニケーションのイライラやストレスを減らしたいですよね!
今回の記事はここまで!
最後まで読んでくださりありがとうございました。
なるほどニャ!自分に自信がないと、無理矢理相手から承認を得ようとしちゃうのかもニャ
日頃から自分に自信を持てるように努力することも必要なのニャ
その通りだね!
(言いたいことを全部言われてしまった・・・・)