平均値ってどうやって見るの?日本の平均年収から考えるグラフの見方【統計の基礎】

豆知識
サイコロ
サイコロ

コロ、なんか落ち込んでるみたいだけどどうしたの?

コロ
コロ

日本のサラリーマンの平均年収は450万ぐらいらしい二ャ・・・
コロにそんなに稼げるのか不安なのニャ・・・

サイコロ
サイコロ

なるほど。それは「平均値」の罠だね!
平均値について正しく理解できればその不安は解消できそうだ
(猫の平均年収って??)

この記事では以下のポイントを紹介します
  • 日本人の平均年収
  • 「平均」と言う言葉の難しさ

平均値とは何か

一般によく言われている「平均」とは、「算術平均」と呼ばれるもので、「全てのデータの数字を足して、データの数で割る」ことで表されます。

たとえば、テストの点数が Aさん60点、Bさん80点、Cさん100点、Dさん70点、あなたが90点だった場合、5人の点数の平均値は

60+80+100+70+90=400
400÷5=80

という計算で80点になります。
あなたは平均より10点も点数が高かったのでおそらく先生に褒められることでしょう

同様に考えると、日本人の平均年収とは、全国民の給料を足して、国民の数で割って求めます。
一見すると、日本人の年収をよく表しているように見えますが本当にそうでしょうか?

平均値は本当に「真ん中」??

テストの例に戻りましょう。仮に5人のテストの点数が、Aさん5点、Bさん2点、Cさん3点、Dさん90点、あなたが10点だった場合、5人の点数の平均値は

5+2+3+90+10=110
110÷5=22

という計算で22点となります。
あなたは、平均よりも10点以上点数が低かったので、先生に怒られてしまうかもしれません。
しかし、あなたはDさんに次いでクラスで2番目にいい点数をとっています。

なぜ、こんなことが起きているかというと、今回の場合はDさんが他の4人に比べて、とても高い点数をとっているため平均点が吊り上げられているのです。

コロ
コロ

みんなより高い点数を取ってるのに怒られるのは納得いかないの二ャ

サイコロ
サイコロ

平均点だけをみてるとこんなことが起きてしまうんだよ。

だから、平均を「正しく理解してあげる」ことが重要なんだね!

平均年収はお金持ちが吊り上げている

実は平均年収についても同じことが起こっています。
下のグラフは国税庁の令和元年の統計を参考に作成したものですが、日本人の年収は200-400万円の中にピークがあるように見えます。
日本人の平均年収は436万円と言われていますが、このグラフを見る限りそれ以下の人の方がかなり多いように見えます。

ここに「平均値のトリック」があります。先程のテストの例と同様に、一部の億万長者が「平均値」を吊り上げているのです。
たとえば年収が2000万円の人は、一般の人の5人分を稼いでいるわけです。
年収が1億円の人は、一般の人の25人分になります。
彼らの存在によって「平均年収」は感覚よりもとても高くなっています。

少し安心しましたね笑

改めて日本人の平均年収を考える

それでは、日本人の平均年収を考えることは意味がないのでしょうか?
決してそういうわけではありません!

ここで「最頻値」というものを使います!
これは、データの中でもっともよく出てくる数字のことを指します。
たとえば、クラスでテストを行った時の点数が以下のような場合、
70点の人が一番多いので70点が最頻値になります。(ちなみに平均は77点です)

この最頻値は、データに極端な値があったとしてもその影響を受けにくいです。
先程の平均年収を見てみると、200-400万円のところが最頻値のようですね。


実際のデータでは日本人の年収は350万円あたりが最頻値と言われています!

このようにデータに応じて、平均値や最頻値を使い分けることでデータを正しくみることができるようになります!
ちなみに「中央値」と言うものもありますが、それはまたの機会に!

※本記事は国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査 統計表」を参考にしています。
 より正確なデータは国税庁の統計を参考にしてください。

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