記憶力アップの近道!「自己関連付け効果」を使いこなそう

子育て/教育の心理学
サイコロ
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記憶力って何かと大切ですよね!
ここでは学校の勉強や、仕事で役に立つ「記憶術」を紹介します。

この記事では以下のポイントを紹介します
  • 記憶の仕組み
  • 知っておくと便利!記憶の処理水準
  • 自己関連付け効果による記憶術

人の記憶については盛んに研究が進められています。

今回は記憶の仕組みについて説明しながら、効率よく物事を記憶する方法を紹介します。

記憶の仕組み

突然ですが、みなさんはスマートフォンやPCのパスワードは覚えていますか?
大抵の人は覚えていますよね。

それでは、そのパスワードを設定した日のことは覚えていますか?
その日どこに行って何を食べましたか?
おそらくほとんどの人が覚えていないのではないでしょうか。

このように、人の記憶には半永久的に覚えていられるものと、すぐに忘れてしまうものに分かれています。

短期記憶と長期記憶

たとえば、チラシをみながらレストランに電話をかけるシーンを想像してください。

あなたはチラシに書いてある電話番号をみながら、何桁か覚えながら、スマートフォンのボタンを押していくのではないでしょうか?

他にも、スマートフォンでレシピを調べながら料理をするとき、手順ごとに内容を覚えながら料理を進めていくのではないでしょうか。

このように、私たちは、外から得た情報を頭の引き出しに置いて、覚えておくことができます。

しかし、この引き出しは容量が小さく、しばらくしたら忘れてしまうという性質があります。
電話番号もレシピも数時間経ったら忘れてしまいますよね。

この一時的な引き出しを「短期記憶」と呼びます。
短期記憶は、少し時間が経つと忘れてしまいます。

しかし、私たちは短期記憶だけでは生きていけません。

スマートフォンのパスワードやATMの暗証番号などは、普段は頭に浮かんでいなくても必要なときに思い出すことができますよね。

このように重要な情報は短期記憶を通って「長期記憶」という引き出しに保存されます。
長期記憶には容量の制限がなく、一度保存されると半永久的に記憶することが可能です。

記憶力をアップさせるというのは、この長期記憶を上手に活用するということです。
もっというと、どうやって「短期記憶」から「長期記憶」に情報を送り込んでやるかということなのです!

次の章からは、具体的に「短期記憶」→「長期記憶」の流れを見ていきましょう

ちなみに、人は視覚や聴覚など五感で感じる刺激を1秒程度記憶していると言われています。
これは、短期記憶・長期記憶と区別して感覚記憶と呼ばれています。

記憶の段階
  1. 感覚記憶:五感に一瞬だけ残る記憶。1秒程度。
  2. 短期記憶:一時的に頭に残る記憶。覚えられる時間と数に限りがある。
  3. 長期記憶:半永久的に残る記憶。覚えられる時間と数に限りがない。

丸暗記は効果がある?

私たちが記憶するためによくやることは「丸暗記」です。

学校のテスト前日に、英単語や世界史の年号をひたすら繰り返し唱えていたことがある人も多いのではないでしょうか?

丸暗記は、最もシンプルに短期記憶を長期記憶に保存する方法です。
特に、何度も唱えて覚えることを心理学の世界では「リハーサル」と呼び、リハーサルを繰り返すことで短期記憶から長期記憶に情報が移動します。

短いスパンで見ると、丸暗記は一定の効果があるだろうと思います。

丸暗記は一定の期間、物事を記憶するのには役立ちます。
しかし、この方法ではしばらくすると、記憶は抜け落ちてしまいます。

暗記には2種類ある

ではなぜ丸暗記では記憶は完全に定着しないのでしょうか?

その答えの鍵は、「リハーサル(暗記)」には2種類あるということです!

リハーサル」には、「維持(いじ)リハーサル」と「精緻化(せいちか)リハーサル」の2種類あると言われています。

詳細は割愛しますが、「維持リハーサル」とは、その情報を短期記憶に留めておくためだけのリハーサルです。丸暗記はこちらの維持リハーサルに当たります。

この方法は、数日は記憶が持続する可能性もあり、学生の頃の試験はこれで乗り切ることができた人もいるでしょう。

一方で、「精緻化リハーサル」とは、単なる丸暗記ではなく、覚えるものの意味を理解したりすでに知っている知識と関連づけたりして、深く記憶することです。

精緻化リハーサルを行った記憶は定着しやすいと言われています。

それでは、「精緻化リハーサル」はどうすればいいのでしょうか?
参考になる考え方に「処理水準モデル」というものがあります。

覚え方にはレベルがある!

短期記憶から長期記憶に情報を移動させるには、「リハーサル」が基本的な方法です。
しかし、単純な丸暗記だけでは、記憶を定着させることは難しいです。

そこで、登場するのが処理水準モデルです。

私たちは3種類の覚え方をする

処理水準モデルでは、人は記憶をするときに3種類の覚え方をすると考えられています。

その3種類とは「①カタチで覚える」、「②音で覚える」、「③意味で覚える」です。
私たちは、何かを覚えようとする時、この3パターンのいずれかの方法を取ると言われています。

そして、①から③の順番に処理のレベルが深くなって、記憶に残りやすくなります。

(専門的には「形態的処理」→「音韻的処理」→「意味的処理」の3種類です)

つまり、もっとも記憶が定着しやすい覚え方は「意味で覚える」という方法になります!

それでは、この方法について具体例を挙げながら見ていきましょう。

意味をつけて覚える

まずは、3種類の覚え方のパターンがどのようなものなのか、例を示します。

たとえば「1603年に徳川家康が江戸幕府を開いた」を①カタチと②音の水準で覚えてみましょう。

1603年に徳川家康が江戸幕府を開いた

カタチで覚える
カタチで覚える

・・・・・・・・・
(ひたすらみて覚える)

音で覚える
音で覚える

1603年・・・徳川家康・・・江戸幕府。
1603年・・・徳川家康・・・江戸幕府。
(音読して覚える)

この例は極端な気もしますが、「ただ眺める」ことよりも「声に出して読む」ことの方が記憶に定着しやすいです。

さらに、目や耳で覚えるだけじゃなくて、その意味をしっかりと理解して覚える方が効率よく記憶できます。
今の例を③意味の水準で覚えるとこのようになります。

1603年に徳川家康が江戸幕府を開いた

意味で覚える
意味で覚える

徳川家康は豊臣秀吉に仕えていて、秀吉が亡くなった後に天下を取ったんだ。
この間豊臣秀吉は習ったな!

1600年に関ヶ原の戦いがあって、それに勝った徳川家康が江戸幕府を開いた。
幕府ということは、戦国時代が終わったということか??

このように、カタチや音だけでなく、意味を捉えながら既にある知識と組み合わせて覚えることで、記憶が定着しやすくなります。

とはいえ、ここまでは日頃からできている人もいるのではないでしょうか?
最後に、ここまでの内容を応用した記憶法をご紹介します。

それが「自己関連付け効果」です。

自己関連付け効果

認知心理学の世界では、記憶に有効なアプローチとして「自己関連付け効果」というものがあります。
これは、「自分に関連している事柄は記憶に残りやすい」という効果です。

たとえば、自分と同じ誕生日の人は記憶に残りやすかったり、自分が旅行に行ったことのある場所は記憶に残りやすかったりという現象がこれに当たります。

これまでに、記憶を定着させるには「すでに知っている知識と関連づけると良い」とお話ししましたが、私たちがよく知っている知識はズバリ「自分自身に関する知識」です。

何か新しいことを覚えるときは自分自身と関連づけて覚えることで、その記憶が定着しやすくなるのです。

また、同じ例で考えてみましょう。

1603年に徳川家康が江戸幕府を開いた

自分が生まれたのが2003年だから
ちょうど400年前に江戸が始まったんだなあ

1603年に徳川家康が江戸幕府を開いた。
私が住んでいる東京が昔「江戸」って呼ばれていたのね
なんだか親近感があるわね。

このように、何かを覚えるときは自分自身に引き寄せて覚えると記憶しやすくなります。

私たちの頭の中にはなんといっても自分自身に関する情報がたくさん入っています。
ある事柄を自分に関する情報に関連づけて覚えることで、その事柄が頭に残りやすくなるのです。

他にも、いろんな覚え方があるので自分でお気に入りの方法を探してみてください。

自分自身の情報と関連づける
  • 自分の名前や生年月日と関連づける
  • 自分の性格と関連づける
  • 自分の趣味や好きなものと関連づける
  • 自分の経験(旅行や仕事、学生生活)と関連づける

まとめ

この記事では、記憶の仕組みについて紹介してきました。

そして、記憶力をアップさせる方法についても説明してきました。

記憶力をアップさせるには
  • 記憶には短期記憶と長期記憶がある
  • 記憶が定着するには「意味」をつけて覚えることが大切
  • 自分自身に関係させて覚えると記憶が定着しやすい

最後まで読んでいただいてありがとうございます。
それではまたお会いしましょう!

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