最近、仕事も人間関係も上手くいかなくて困ってるのニャ
しかも、ストレスのせいで暴飲暴食して、メタボまっしぐらニャ・・・
先生なんとかして欲しいニャ
うーん、どうやらいろんな問題が積み重なっているようだね。
そういう時は、きちんとステップを踏んで対処していくことが大切だと思うけど・・・。
そうだ!そんな時にぴったりの方法があるから、ここで一緒に勉強していこう。
ストレスが溜まっている時って、どうにかしてそのストレスから抜け出したいって思いますよね。
ストレスの原因は一つではなくて、色んな問題が積み重なっていて身動きが取れなくなってしまいます。
そんな時は、問題を一つづつ解決していくことが大切です。
今回は、日常生活であなたを悩ますさまざまな問題を解決するためのフレームワークをご紹介します。
それではいってみましょう!
あなたを悩ますストレスを軽減するために
日常生活のストレスに対処しよう
みなさんはストレスを感じやすい方ですか?
ストレスを感じていると些細なことでイライラしてしまったり、ネガティブになったり、よくないことだらけですよね。
また、ストレスが溜まっている状態だと、生活習慣も変わってしまいます。
アルコールに癒しを求めたり、間食が多くなったり、睡眠不足になったり、ストレスが原因で生活習慣が悪化してしまったなんて人もいるのではないでしょうか?
そんな日常生活のストレスや生活習慣の悪化に対処する方法として、問題解決療法(問題解決アプローチ)があります。
問題解決療法を使ったストレス対策
問題解決療法とは、日常生活におけるさまざまな問題に対して、解決策を見つけて実行するまでのプロセス全体のことを表します。
具体的に言うと、あなたの抱える悩みを5つのステップで解決していきます。
その5ステップとは以下の通りです。
見てもらうとわかる通り、問題解決療法のポイントは、闇雲に行動するのではなく、しっかりと準備をして行動にうつすということです。
問題解決療法は認知行動療法と関連が深く、うつ病などの治療から生活習慣の改善まで幅広い文脈で研究と実践が進められています。
問題解決療法を学ぶとどうなる?
問題解決療法は、リラクゼーションのように具体的にストレスを軽減する方法ではありません。
むしろ、悩みやストレスに対処していく際の心構えや方法論が占める部分が大きいです。
問題解決療法を学ぶことで、ストレスや悩みごとに対する対処スキルを向上させることができます!
それでは、早速問題解決療法の5ステップを紹介していきます!
問題解決療法の5ステップ
Step1:問題解決の心構えを作る
人はネガティブだと視野が狭くなる
自身の悩みを解決する前に、自分の「感情」や「考え方」に対処しましょう。
ストレスや問題に悩まされているときは、頭の中をネガティブな感情や考えに支配されがちです。
ネガティブな感情だと、冷静に物事が見えにくくなったり、「どうせ自分には無理だ」と問題に立ち向かうことを諦めてしまうことがあります。
自分の考えと感情や行動はお互いに影響しあっているので、ネガティブな感情や自信のなさが強すぎると、自身の行動範囲が狭くなったり、視野が狭くなってしまいます。
そこで、まずは自分の「感情」を見つめ直し、ネガティブな感情や自信のなさを和らげるようにしましょう。
ネガティブ感情を減らすためのルール
さて、自身の問題に立ち向かう前に、ネガティブ感情や自身のなさを和らげましょう。
そのためには、問題を解決するための心構えを作ることが大切です。
有効な心構えを以下に示します。
悩みや問題に立ち向かう前に、この心構えを頭の中で唱えてみましょう。
また、問題に取り組む途中で、ネガティブ感情が再び現れてきたら、いつでもこの心構えに戻ってきましょう。
自分でオリジナルの心構えを作って手帳に書き留めておくのも良いでしょう!
会社員のAさんの例
Aさんは毎晩遅くまで仕事をしていて、家に帰ってくる頃にはへとへとになってしまいます。彼の癒しは風呂上がりのビールと食事ですが、ついつい飲み過ぎてしまいます。しかし、先日の健康診断で体重を落とすように言われてしまいました。
Aさんはダイエットのために晩酌を我慢して運動をしようと決意しましたが、仕事の疲れを言い訳にしてついついビールに手を伸ばしてしまいます。
そんな自分に嫌気がさし、仕事の疲れも相まって、とても憂うつな気分で運動どころではありません。
Aさんはダイエットに取り組む前に、まず「完璧な人間なんていないんだから失敗してしまうこともある。この現状は脅威ではなくチャレンジである。」と心に唱えて、問題に取り組むためにネガティブな感情を減らそうと努力しました。
Step2:ゴールをしっかり決める
悩みの種をしっかり見極める
心構えを作った後は、自分の抱える問題をしっかり観察してあげる必要があります。
目的地を決めてから旅行に行きますよね?
目的地を決めてはじめて、「どうやっていこうか?」、「1日楽しむには何時に家を出ればいいかな?」のように具体的な方法を考えることができます。
これと同じで、自身の問題に取り組む時も、何が原因なのか、すなわち悩みの種は何か、しっかり見極めてあげることが大切です。
特に、ストレスが溜まっている状態は、いくつもの問題がたくさん積み重なっていることが多いです。
自分が本当に困っているのはどんな問題なのか、しっかりと考えましょう。
問題をしっかり見極めることで、次のステップでも、解決のためのアイデアをたくさん思い浮かびやすくなります。
問題を見極める時には、5W1Hを活用すると良いでしょう。
具体的な目標を立てる
悩みの種がわかったら、その悩みを解決するための目標を立ててあげましょう。
ポイントは2つ、「現実的な目標を立てること」と「具体的な目標を立てること」です。
高すぎる目標を設定してしまうと、達成が難しくなり、もし達成できなかった時により一層落ち込んでしまう可能性があります。
目標を立てるときは、高すぎない目標を設定しましょう。
また、目標を立てたら、その目標が達成できたか振り返ることが大切です。そのため、後で振り返ることができるように具体的な目標を立てましょう。
「ダイエットを頑張る!」のようなあいまいな目標では達成できたかどうかわかりにくいので、「1ヶ月で1kg痩せる!」のように、数字を使ったりして、具体的な目標を立てましょう。
会社員Aさんの例
Aさんは会社の健康診断でダイエットをするように指摘されてしまいました。毎晩の晩酌が原因で体重が増えてしまっています。そこで晩酌の時間を減らすために目標を立てることにしました。
目標を立てる前に、毎晩の晩酌の状況をイメージしてみると、晩酌の量は大体ビール1本から4本で、日によって異なること、そして夜遅くまで起きている時に晩酌が増えてしまうとわかりました。なんとなく寝る気分になれなくて、夜更かしをするうちに飲酒の量が増えてしまうのだとAさんは納得しました。
そこで、Aさんは具体的な目標として、「ビールを1日一本に限定すること」「11時までに飲酒を終えること」のどちらかを目標にしようと考えました。
何はともあれ、飲酒量を減らすことが目的なので「ビールを1日一本に限定すること」を目標にして、飲酒の時間を短くすることは、今後のために覚えておくことにしました。
Step3:アイデアを考える
自由な発想でアイデアを出してみる
目標が決まれば、次はその目標を達成するための方法を考えましょう。
先程の旅行の例で例えると、目的地を決めた後に、その目的地までどのような方法で行くかを考えるのがこのステップになります。
ここでは自由にアイデアを出すのが大切なので、決まった方法はないのですがポイントをいくつか紹介します。
アイデアはたくさんあればあるほど頼りになります。
選択肢が一つしかないとその考え方に固執してしまうので、できれば複数のアイデアを出せると良いでしょう。そのためには、質より量を重視し、どんなに馬鹿げたアイデアでも大切にしましょう。
アイデアの数は、最適な解決策を見つけるだけでなく、自分自身の希望にもつながります!
Step4:具体的な計画を立てる
出したアイデアを評価する
Step3では、判断を抜きにしてとりあえずアイデアをたくさん出してきました。
次は、そのアイデアを一つ一つ吟味していきましょう。
自由な発想でアイデアを出したので、到底実行できないものも出てくるでしょう。
しかし、それはそれでOKです!ここでしっかり評価しましょう。
アイデアを評価するポイントもいくつかありますが、ここでは2つご紹介します!
まず、そのアイデアが実行できるかどうかです。アイデアは行動に移すことができなければ意味がありません。
そして、仮に実行できたとしても目標に全く役に立たない方法では行動する意味がありません。
この二つの視点で、それぞれのアイデアを評価して、最適な行動を見つけましょう。
具体的な計画を立てる
ここまできたらいよいよ行動計画を立てていきます。
先程行ったアイデアの評価を参考に、自分が取り組むべき行動を選んでいきましょう。
選択するアイデアは一つでもいいし複数でも構いません。
人間は、小さな成功を積み重ねることで、モチベーションがどんどん上がっていきます。
そこで、達成しやすそうなものから難易度の高いものまで一連のリストにして実行するのがおすすめです。
会社員Aさんの例
Aさんは、「ビールを1日一本にする」という目標に向けて、できることをリストアップしてみました。
まず先程、頭に浮かんだ「11時までに寝る」という方法が思い浮かびました。他にも、「ご飯をたくさん食べる」や「ノンアルコールビールを準備しておく」、「ビールが飲みたくなる辛いものを控える」、「歯を磨いてしまう」などたくさんのアイデアをリストアップしました。
次にAさんは、出したアイデアをもとに実行計画を立てました。
出したアイデアの中でも、「ノンアルコールビールを準備しておく」というのは簡単に実行できそうだなと思いました。しかし、目標にどれぐらい役立つかは不明でした。
また、「歯を磨いてしまう」という方法は、かなり効果がありそうだけど、実際に難易度は高そうだと感じました。
そこで、Aさんはこの2つのアイデアを組み合わせて、「2本目以降のビールはノンアルコールビールに変えて、さらにお酒を飲みたくなったら歯を磨いて寝る準備をする」という行動計画を立てました。
Step5:行動に移してみる
最終ステップでは、いよいよ行動にうつします。最後は行動にうつすだけなのですが、2つだけポイントを紹介します。
行動のモチベーションを上げる
行動に移してみる、と言葉で言うのは簡単ですが、実際に取り組むのは難しいものです。
ダイエットも三日坊主で終わってしまう人も多いでしょう。
行動を持続させるために、自分のモチベーションを上げましょう。
まず何よりも、100%完璧に行動できないということは意識してください。
人間誰しも、やる気が出ない時はあります。
そんな時に、「結局自分にはできなかった」と思ってしまうと、モチベーションが低下してしまいます。
まずは、100%完璧でない自分を認めてあげましょう。
次に、行動に移した時にどんないいことがあるか考えましょう。
ノートや手帳に、「行動した時のメリット・デメリット」と「行動しなかった時のメリット・デメリット」を書き出して眺めてみてください。
行動に移した方のメリットがいかに多いかがわかると思います。
自分の行動をチェックする
そして、いざ行動に移したら自分の姿をしっかりとチェックしてあげましょう。
先程も書いた通り、人間は小さな成功を積み重ねていくことでモチベーションが上がっていきます。
どんな小さな変化でも見逃さずに、自分を褒めてあげましょう。
特に数字で見れる変化は分かりやすいのでおすすめです。
さてここまでで問題解決療法の5ステップはおしまいです。
悩みは少し解消されたでしょうか?
このステップを繰り返すことで、新たな困難に出会った時、前より強くなった自分に気づけるはずです。
会社員Aさんの例
Aさんはビールの量を減らすべく、ノンアルコールビールを飲んだり早く寝たりと努力してきました。
途中、仕事がつらくてお酒に逃げたくなってしまう時もありましたが、ビールの量を減らして痩せた自分を想像することでなんとかモチベーションを維持していきました。
しばらく努力を続けると、階段の登り下りが楽にできるようになったことに気づきました。
Aさんは、自分が変わることができたという実感に喜びを感じ、ビールを飲む量がその日からさらに少なくなりました。
まとめ 問題解決法の5ステップ
最後まで読んでいただきありがとうございました!
この記事はここで終わりです!またお会いしましょう!
(参考)
D’Zurilla, T. J., & Goldfried, M. R. (1971). Problem solving and behavior modification. Journal of Abnormal Psychology, 78(1), 107–126.
D’Zurilla, T. J., & Nezu, A. M. (2006). Solving life’s problems ;A 5-step guide to enhanced well-being, Springer Pub Co.
平井 啓.(2014) がん患者に対する問題解決療法アプローチの適用. 行動医学研究, 20(1), 7-11.
万行 里佳.(2010) メタボリックシンドローム発症予防に関する介入研究. 理学療法科学, 25(6), 957-964.