禁酒や禁煙はこれで乗り切ろう!ステージ理論で正しい生活習慣!

くらしの心理学
コロ
コロ

最近、運動不足で太ってきたの二ャ

でもなかなか運動する気が起きないのニャ

サイコロ
サイコロ

それはまだ、コロが運動不足に「関心」があるだけなんだね。
関心があるだけだとなかなか行動には移せないんだよ

この記事では以下のポイントを紹介します
  • 生活習慣改善に役立つ「ステージ理論」
  • ステージ理論の使い方【自分の生活習慣を改善】
  • ステージ理論の使い方【家族・友人の生活習慣を改善】

今回は多くの人に身近な「運動不足」や「禁煙」に効果があると言われているステージ理論についてお話ししていきます。

このステージ理論について理解することで、生活習慣の改善に役に立ったり、なかなか生活習慣の改善しない家族や友人へのアドバイスができるようになります。

それではいってみましょう!!

ステージ理論とは

ステージ理論とは、私たちが生活習慣などの行動を変化させる時に5つのステージをたどっていくという考えです。この行動の変化は専門的には「行動変容」と呼ばれることもあります。

ステージ理論は、1983年にプロチェスカとディクレメンテによって実施された「禁煙」に関する研究の中で提唱されました。
元々は禁煙を対象としていましたが、最近では、生活習慣の改善などさまざまに用いられています。

【参考】
Prochaska, James & Diclemente, Carlo. (1983). Stages and Processes of Self-Change of Smoking – Toward An Integrative Model of Change. Journal of consulting and clinical psychology. 51. 390-5. 10.1037//0022-006X.51.3.390.

私たちの行動は5つのステップからなる

ステージ理論では、私たちの行動の変化を以下の5つのステージに分けて考えます。

5つのステージ
  1. 無関心期:特に関心がないので、行動を変えようとも思っていない
  2. 関心期:何となく関心があるけど、行動を変えようとは思っていない
  3. 準備期:問題を解決したいし、いい方法があればやろうと思っている
  4. 実行期:問題解決に取り組みはじめ、行動が変化してきている
  5. 継続期:行動が変化して、それがしばらく継続している

以下、運動不足を例に挙げて、一つ一ずつ説明していきます。

1.無関心期

このステージは自分の運動不足を問題に思っておらず、そのため特に運動しようとも考えていません。

体重が増えてきても体調に何にも問題がなかったり、「まだまだ自分は普通の体型だから大丈夫」と思ったりする人はこの無関心期にいます。

2.関心期

このステージでは、何となく自分の運動不足を自覚しはじめていますが、特に行動に移そうとは考えていません。

たとえば、会社の同僚から「運動不足で健康診断に引っかかった」という話を聞かされ自分も意識するようになったり、短い階段を登り降りするだけで息切れするようになったり、徐々に運動不足を意識するようになるのがこのステージになります。

ただし、このステージにいる人は、「運動しなくても少しぐらいお酒をやめれば大丈夫だろう」とか「運動する時間がもったいない」とか運動をしない理由を持っていて、行動に移そうとは思っていません。

3.準備期

このステージにいる人は、自分の運動不足を問題に感じ、運動不足解消に向け日頃の習慣を変えようと思っています。

実際に生活習慣を変える前に、色々情報収集をしているのがこのステージになります。
たとえば、「平日でもできる運動はないだろうか?」とか「土日から始められる運動はあるか?」など、実行できる範囲の運動の方法をネットで探したり、周りの人に聞いたりするのがこれにあたります。

関心期からいきなり実行に移すのではなくて、この準備期という期間を挟むのがポイントだと思います。

4.実行期

このステージでは、実際に運動不足解消に向けアクションを起こし始めています。

たとえば、職場の同僚から「通勤時に電車を1駅前から降りて歩いている」という話を聞いて、自分でもそれを試しはじめた人は、この実行期にあたります。

いよいよ運動不足の改善を実行に移すことができました!
ただし、この実行期では「1駅前から歩く」という運動が継続するかどうか、つまり習慣として定着するかはまだわからないので注意が必要です。

5.継続期

いよいよ最終ステージです!
このステージでは、実行期のアクションが継続して習慣になっています。

通勤時に1駅前から降りて歩くという行動が半年以上続き、習慣として定着しました。

このステージまで来れば特にいうこともありませんが、せっかく身につけた習慣がなくなってしまわないように、自分で自分を褒めたり、時には家族に褒めてもらったりして、習慣が継続するように気をつけましょう。

それでは、このステージ理論を使って自分の生活習慣を改善する方法を考えていきましょう!

ステージ理論を用いた生活習慣の改善【自分の習慣】

自分のステージを理解しよう

まずは、自分がどのステージにいるのかを理解しましょう。
たとえば、自分が無関心期にいるのにいきなり運動不足解消の方法を考えたり、逆に自分が実行期にいるのに運動不足に関する情報をたくさん集めたりしてもあまり効果はないでしょう。

自分のステージにあった対処法を考えるために、自分がどのステージにいるのかを理解するのは大切です。

そのポイントは3つです。

自分のステージを確認する3つの質問
  1. あなたは生活習慣の改善に興味・関心はありますか?
  2. あなたは自分の生活習慣を問題だと思っていますか?
  3. あなたは自分の生活習慣の改善ために何か方法をとっていますか?

もしこの3つの質問全てにいいえの方は「無関心期」のステージにいる可能性が高いです。
1番目の質問だけ当てはまるという方は「関心期」
1,2番目の質問に当てはまるという方は「準備期」
全ての質問に当てはまるという方は「実行期」もしくは「継続期」にいると思います。

それでは、自分のステージを理解したところで、各ステージの対処を考えてみましょう。
ここでも運動不足解消を例に挙げます。

無関心期への対処

この記事を読んでいただいている方々はおそらく、無関心期の方は少ないかもしれません。
なので対処と言ってもピンとこないかもしれませんが、まずは自分の健康状態をしっかり把握しましょう。

たとえば体重を測る、健康診断の結果を見返す、昔の写真と見比べてみるなどがこれにあたります。
まずは、自分が「運動不足」なのかどうかをしっかりと見極めましょう

関心期への対処

このステージにいる方は自分の「運動不足」について気づいています。
しかし、面倒臭いと思ったり、まだ自分は大丈夫だと思ったり、何らかの理由で「運動不足」を解消しようとは思っていません。

そこで、運動をすることによるメリット、運動しないことによるメリットを整理してみましょう。

「運動しないことで自分の時間が作れる。でもその自分の時間で何か有意義なことをしているだろうか?」
「運動して痩せることができれば着たかった服が着れるようになるかもしれない」

運動するメリットが運動しないメリットを超えることができたら準備期へ入ります。

また、運動をすることでスッキリした自分の体型をイメージしてみましょう
身体が軽くなって日々の生活が楽になるイメージや、スーツをカッコよく着こなしてるイメージ、海で水着で楽しく泳いでいるイメージでもいいでしょう。

準備期への対処

準備期では、どうやって運動を始めようか情報を収集しています。
このステージの人に必要なのは、実際に行動に移すための「計画」と「自信」です。

いざ運動を始めようとしても、たとえば「週に3回、トレーニングジムに通う」のような高い目標を掲げても長続きしないでしょう。
それだけならまだしも、「自分には無理だ」と自信を失ってしまい、より一層運動から離れていってしまうことさえあります。

そこで、まずは、自分が継続して取り組むことができるような目標を立てるのが重要です。

「いきなりジムに通うのは難しいけど、ウォーキングならできそうだ!」
「同僚が、電車を1駅手前で降りて歩いてるって言っていたな!それならできそうだ!」

このように、小さな目標から始めることが重要です。
心理学の世界では、「スモールステップ」という言葉があります。
小さな目標を少しずつ達成していくことで、段々と自分に自信がついていきます!

また、目標は具体的であればあるほど効果が上がります。
たとえば、「来週から一週間に2回、電車を1駅手前で降りて歩く」「1日一回はエレベーターじゃなくて階段を使う」のように、目標の中に数字を入れてあげるとさらに効果UPです!

実行期から継続期への対処

さて、あなたは無事、運動不足解消のためにウォーキングを始めることができました!
しかしあなたはふと、「ちゃんと続くだろうか」、「習慣にするのはちょっと面倒じゃないか」と不安に思うようになりました。

特に、運動をはじめて間もない頃は、体型への変化も現れないので、徐々にモチベーションが下がってしまいますよね。

それでは最後に、ウォーキングがしっかりと継続するための対処を考えましょう。
ここで大切なのは、「自分を褒める」ことと「予備の行動を準備する」ことです。

少しでも、目標に向かって達成することができた自分を褒めてあげましょう。
どんな些細な変化でもポジティブに受け取りましょう。

たとえば、「腕時計が少しゆるくなった」とか小さな変化も見逃さず喜ぶようにしましょう!

また、誰しもやる気が出なくて、運動をサボってしまう日もあるでしょう。
それは仕方のないことです。ただ、一度サボってしまうとその後もサボりグセがついて、せっかくの習慣がなくなってしまうこともあります。

サボってしまう日のために、あらかじめ「他の方法」も準備しておきましょう。

たとえば、「ウォーキング」をサボってしまった日には、「家に帰ってから10回スクワットをする」など、別の運動を準備しておいて「サボった」という感覚を無くしましょう!

ここまでくれば、あなたはしっかりと生活習慣の改善ができていると思います!
自分のステージをしっかりと見極め適切な対処を考えていきましょう!

最後に、このステージ理論を自分以外の家族や友人に適用する方法についても少しだけ紹介します。

ステージ理論を用いた生活習慣の改善【家族・友人の習慣】

たとえばあなたの周りに、ストレスを感じているのに無理して働いている方はいませんか?
ステージ理論は、自分だけではなく、身近な人の生活習慣の改善にも役に立ちます。

相手のステージを見極める

ステージ理論を周囲の人に適用するときも、基本的な考え方は同じです。まず、相手がどんなステージにいるのかを見極めましょう。

そのポイントはやはり3つです。

相手のステージを確認する3つの質問
  1. その人は生活習慣の改善に興味・関心はありますか?
  2. その人は自分の生活習慣を問題だと思っていますか?
  3. その人は自分の生活習慣の改善ために何か方法をとっていますか?

たとえば、ストレスの多い職場で働いている友人への援助について考えてみましょう。

その友人は、自分でストレスを認識していますか?
→いいえの場合は、「無関心期」

その友人は、自分でストレスを認識していて、それを改善したいと思っていますか?
→いいえの場合は、「関心期」

その友人は、ストレスを和らげるための方法を何かとっていますか?
→いいえの場合は、「準備期」

全て「はい」の場合は、「実行期か継続期」にいます。

ステージによった適切な対処を心がける

それでは、各ステージで友人にどのように声かけをすれば良いか考えてみましょう。

まず無関心期の場合は、無理して行動や考えを変えてもらうような支援ではなく、自分のストレスの状態を正しく理解してもらいましょう。

たとえば、体調の変化や心に変化があるかを確認しましょう。
特に自分ではストレスを認識しにくい人は、体調の変化について意識を向けることも大切でしょう。

そして、友人が自身のストレスに関心を持ち始めたら、つまり「関心期」に入ったら、今の状態が続くことのデメリットや、行動を改善することのメリットを伝えてあげましょう。

たとえば、「ストレスを自覚しないことで体調に悪影響がある」ことや、「ストレスへ適切な対処をすることで、より一層仕事に集中できる」ことなどを伝えてあげましょう。

そして、いざ友人が「行動を変えてもいいかな」と思い始めたら、すなわち準備期に入りかけたら、

具体的な計画を立てたり、「自分も一緒にやってみる」と言って励ましたり、サポートしてあげましょう。

そして、その行動がしっかりと継続するように、すなわち、実行期を経て継続期に入るように、友人の変化に気づいて、それを言葉にして伝えてあげましょう。

ちょっと顔色が良くなったとか、笑顔が増えたとか、小さな変化にも気づいてあげましょう!

こうして、あなたの大切な人を支えてあげましょう!
誰かのために考えてあげられる事はとても素晴らしい事だと思います。

まとめ

この記事では、ステージ理論を通して「どのように生活習慣を変えるのか」についてお話ししていきました。

ポイントは自分がどのステージにいるのかをしっかりと理解することと、ステージにあった適切な対処をすることでした。

ぜひステージ理論を理解して、生活習慣の改善に役立ててください!

コロ
コロ

そうか、コロは実は関心があるだけで特に具体的に運動不足の解消について考えてはなかったニャ

まずはどうやって運動を進めていくか作戦を立てて見たいニャ

サイコロ
サイコロ

いきなり行動を変えようと思うんじゃなくて、立ち止まって一つずつ問題を解決していくのが大事だね。

階段を一段ずつ着実に登っていけば踏み外すことはないからね!

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