コロ、ため息なんかついてどうしたんだい?
はあ、明日は仕事で初対面のお客さんのところに行かなきゃいけないのニャ。
今から緊張してるのニャ。
初対面の人と話すのが苦手なのかな?
それじゃ心理学の知識で手助けしよう!
みなさんは友人や家族とはうまく話せるのに、仕事の相手になると全然話せなくなってしまうなんてことありませんか?
上司に気を遣ってうまく話すことができないことや、取引先の人とのコミュニケーションがうまくいかないという経験のある方もいらっしゃるでしょう。
今回は、そんな仕事のお悩みについて考えてみましょう!
ビジネスのコミュニケーションは特別?
ビジネスのコミュニケーションは難しい?
みなさんは仕事のコミュニケーションと日常生活のコミュニケーションは別物だと思いますか?
仕事のコミュニケーションはたくさんの人に気を遣ったり、難しい言葉を使ったり、礼儀やお作法があったり、何かと厄介だと思いませんか?
日本人は礼節を重んじる文化が昔から根付いています。それは、日本語にも「敬語」という形で表れています。
日本語には尊敬語・謙譲語・丁寧語という3種類の敬語があり、世界的にみても複雑な言語なのです。
みなさんの中にも、敬語がちょっと苦手だという人はいらっしゃるのではないでしょうか?
これは仕事のコミュニケーションを厄介だと感じる理由の一つでしょう。
他人からどうみられるかを気にする日本人
さらに、私たちは「他人からどうみられるか」を気にしてしまう傾向にあります。
職場内では、上司から変に目をつけられないように気を遣ってコミュニケーションをとり、お客さんの前では、嫌われないように気を遣ってコミュニケーションを取らねばならず、窮屈な思いをしている方も多いでしょう。
ここまで見てきただけでも仕事でのコミュニケーションは何かと厄介なことが多いです。
でも実は、仕事でもコミュニケーションの本質は日常のコミュニケーションと変わらないのです!
ビジネスのコミュニケーションは難しくない!
仕事におけるコミュニケーションも日常生活のコミュニケーションも実は目的は同じなのです。
それは、「自分」を伝えることと「相手」を理解することです。
たとえば付き合いたてのカップルは、恋人のことをもっと知りたいと思い、それと同時に自分のことをよく知ってもらいたいと思います。
一方、たとえば営業マンがお客さんにするコミュニケーションも、「相手のニーズを知る」ことと「自分や自社の商品について正確に伝える」ことが大切です。
このように、ビジネスのコミュニケーションだからといって特別なことはないのです!
仕事とプライベートの会話は全く一緒ってことかニャ?
完全に一緒ではないんだ。プライベートと違って緊張感と距離感を保つことは重要だけど、あまり気負いすぎるのは良くないね!
自分のことを伝えるべし!そして相手のことを知るべし!
ビジネスのコミュニケーションも、日常のコミュニケーションとそこまで変わりがないことを理解していただけたでしょうか?
それでは、ここからは具体的なコミュニケーション術を見ていきましょう!
相手のことが知りたければ、自分をさらけ出そう!返報性の法則!
コミュニケーションの目的は「自分を伝えること」と「相手を理解すること」でした。
私は営業職をしていましたが、私の経験ではお客さんとのコミュニケーションでは「お客さんを理解すること」が特に大切です。
相手を理解する上で、大切な考え方に「返報性の法則」があります。
返報性の法則は社会心理学者のチャルディーニという人が提唱した交渉テクニックです。
簡単にいうと、「人は誰かから何かをしてもらったら、お返しをしたくなる」という法則です。
あなたの周りにこんなことを言う人はいませんか?
「初めは全然好きじゃなかったのに、何回も好意を寄せられていたらいつの間にか好きになってた」
これも立派な返報性の法則です!
この返報性の法則によれば、相手のことを知りたければ、まずは自分自身について相手に話すことから始めましょう。心理学では、これを「自己開示」と言います。
自分自身について相手に話すことで、相手は「自分も何か話さなきゃ」と思うようになります。
(参考)
ロバート.B.チャルディーニ. (2014). 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか. 誠信書房.
自分語りには注意
さて、ここで注意!返報性の法則でいう、「自己開示」はあくまでも「相手のことを知るため」の戦略です!自己開示が長すぎて「自分語り」にならないように注意しましょう。
挨拶や自己紹介を済ませたらできれば相手に話をしてもらうのが良いです。
あまりにも自分語りが長いと相手も会話に飽きてしまいます。
「自分の自己紹介や挨拶」→「相手のターン」→「自分を伝える」
適度に相手に話を振って、このパターンを繰り返すようにしましょう。
とはいえ、相手によってはなかなか話してくれない人もいますよね!
そんな時は、相手に「関心があるアピール」をしてみましょう
細かいけど威力は抜群?「関心がありますよアピール」
初対面の人と話が続かなかったり、お客さんとの商談がうまくいかないと悩む人も多いのではないでしょうか?
ここでは、すぐに実践できるコミュニケーション術を紹介します。
名付けて「相手に関心があるアピール」!!
人は皆、自分に関心を持ってくれる人には好意を示すものです。
相手に関心があるアピールをすることで、相手は自分のことを少しずつ自己開示してくれるようになるでしょう。
相手に関心があるアピールは色々な方法がありますが、ここでは簡単にできる3つを紹介します。
まずは、相手に質問をすること!
これはコミュニケーションの基本なので言うまでもないかもしれませんね。
ただ、質問には「はい・いいえ」で答えられる質問(閉じた質問)と、そうではない質問(開かれた質問)があると言われています。
「はい・いいえ」で答えられる質問ばかりしてしまうと、まるで「警察の取り調べ」みたいになってしまうので注意が必要です!
次に、相手の名前を呼ぶこと!
「あれ?そんなこと?」と思う人もいるかもしれませんね。
相手に関心があるアピールをするには名前を呼ぶことがとても効果的です!
これはすぐにできることなのでぜひ試してみてください!
「〇〇さんはどう思われますか?」など、質問と組み合わせることでより効果的です!
最後に、相手のしぐさを真似すること!
これは、元々は「家族療法」と言う心理療法で使われていたテクニックで、セラピストが家族の中に入り込むために用いられていました。
「マイム」とも言います
ちょっとしたしぐさや、言葉の使い方を真似してあげることで、相手との距離が近づくことがあります!
これも、ぜひ取り入れてみたいですね!
先生は魚は好きか二ャ?
好きだけど。どうしたの、突然?
どんな魚が好きかニャ?
他にはどんな食べ物が好きかニャ!!?
昨日何食べたニャ!!!?
ちょ、ちょっと!質問が多すぎるよ笑
まとめ
ビジネスにおけるコミュニケーションに苦手意識を持っている人は多いと思います。
ただ、コミュニケーションの目的はビジネスも日常生活もあまり変わらないのです。
大切なのは、「相手のことをよく理解すること」と「自分のことを伝えること」です。
特に「相手のことをよく理解すること」はビジネスにおいてとても大切です。
初対面の人との会話や、お客さんとの会話が苦手な人は、ぜひ「自己開示」と「相手に関心があるアピール」を組み合わせて、相手から話を引き出してみてください。