【子育ての心理学入門】ご褒美をあげるのって実際どうなの?ご褒美なしで子供をやる気にさせるには!

子育て/教育の心理学
コロ
コロ

ご近所さんに子ネコが生まれたのニャ!とにかく可愛いのニャ!
わがままだけど、おやつをあげれば言うことを聞くし賢いのニャ!

サイコロ
サイコロ

子ネコはとっても可愛いし癒されるよね!
「おやつ」を使った子育てもいいけど、そればかりだと限界があるかもね。
心理学の知識を使って別の方法も考えてみよう!

この記事では以下のポイントを紹介します
  • 「ご褒美」を上手に使うには
  • 「ご褒美」を使わない子育ての方法
  • 【おまけ】正しい子供の褒め方

子育ての際に、「ご褒美」をあげることってありますよね。
これは、とっても効果のある方法ですが、ずっと続けるのは難しいかもしれません。

今日は「ご褒美」を使わないでできる子育てを勉強していきましょう!

ご褒美を使った子育ては効果がある?

ご褒美をあげる子育て

「勉強したらおやつを食べよう!」

「お手伝いしてくれたらお小遣いをあげるね!」

このように、子育ての際に、ご褒美を使う方法は、昔からよく行われています。
この「ご褒美」は本当に効果があるのでしょうか?

ご褒美と心理学

心理学の世界でも、ご褒美については古くから研究が盛んで、
「行動主義」だったり「学習心理学」という名前で研究が進められています。

多くの研究では「ご褒美」をもらうとその前に行っていた行動の頻度が増えるとされています。
(専門用語では「ご褒美」ではなく「強化子」と言いますが、ここでは「ご褒美」と呼び続けます。)

つまり、古くから子育てで使われていた、「おやつ」や「お小遣い」というのはある程度効果があるのです!

さらに、このご褒美を上手に使うにはいくつかのポイントがあることがわかっています。

ご褒美をあげるときのポイント
  1. ご褒美は望ましい行動をした直後にあげる
  2. 何に対するご褒美なのかをちゃんとわかってもらう

ご褒美はただあげれば良いのではなく、望ましい行動をした直後にあげることが重要です。

お手伝いをした次の日にご褒美をあげるのではなく、お手伝いをした直後にご褒美をあげる方が効果が高いのです。

また、自分がどうして「ご褒美」をもらえたのかわかっていないと効果はありません。

ご褒美をあげるときは、「お手伝いをしてくれたお礼におやつをあげるね!」のような声かけを意識しましょう。

自分のどの行動が褒められたのかを子供にしっかりとわかってもらうことが大切です!

ご褒美の注意点!慣れに注意!

これまで述べた通り、ご褒美は子供に望ましい行動をしてもらうために非常に役に立ちます。

しかし、このご褒美は実は万能ではないのです!

人は同じ刺激を繰り返し受けていくと、段々とその刺激に反応しなくなっていきます。
これを心理学の世界では「馴化(じゅんか)」と呼びます。

たとえば、単調な道を運転をしているとだんだんと眠くなってきませんか?
また、目覚まし時計の音は最初はとても不快なのに、だんだんとその音に慣れてしまうことはありませんか?

このように、我々は同じ刺激をずっと与えられると、その刺激に慣れてしまうのです。

ご褒美にもこれが当てはまります。
毎回毎回、同じご褒美を与えられると、段々とそのご褒美の効果がなくなってしまうのです!

ご褒美がなくても大丈夫!プレマックの原理!

ここからは「ご褒美」を使わない教育法について考えていきましょう!
ここではプレマックの原理を使って考えていきます!

プレマックの原理とは

「プレマックの原理」とはその名の通り、心理学者デビッド・プレマックによって提唱された理論で、「高い頻度で起こる行動は、低い頻度で起こる行動を強化することができる。」というものです。

少し難しいですね・・・。簡単に説明すると、

「やりたくないこと」を達成したら、「普段からよくやっていること」をやらせてあげる!

これだけです! 例をあげましょう。

日頃からYoutubeばっかり見て、宿題をしないタカシくん

お母さんは普段、宿題をしたらタカシくんの好きな「チョコレート」をあげることでなんとか宿題をやらせていました。
しかしタカシくんは虫歯になってしまい「チョコレート」はもうあげられません!

そこで、お母さんは「宿題をした後ならYoutubeを見ても良い」とタカシくんに伝えたところ、タカシくんはちゃんと宿題をするようになりました。

タカシくんはYoutubeが「ご褒美」の代わりになって宿題をするようになったのです!

なんだか当たり前のような気がしますよね。

大切なのは、「ご褒美」は「形があるモノ」には限らないということです!
おやつやお金など、形があるモノでのご褒美に限界を感じたら、ぜひこの原理を思い出してください!

子供の様子をしっかりと観察しよう

さて、プレマックの原理は実はとても単純なものでしたね。
ただし、この原理を上手く使うには一つポイントがあります!

それは、「ご褒美」となる子供の行動をちゃんと見つけること!

タカシくんの例では、Youtubeがご褒美として有効でした。
一般的に最近の子供はYoutubeが好きだと思いますが、他の子も同じようにYoutubeがご褒美になるかは分かりません。

普段から子供の様子をしっかり見てあげましょう。
そして、自分の子供がどんな遊びや振る舞いをしているかを観察しましょう。

子供によっては、それは読書かもしれないし、体を動かすことかもしれません。

「褒める」だけでも効果はある?

最後に、「形あるモノ」を使わないご褒美でとっても大事なものが一つ残っています。

それは「褒める」ということ!
一番原始的な方法だと思いますが、「褒める」こともちゃんとご褒美になります。

ただし、ここで強調したいのは、雑で適当に褒めるだけではご褒美にならないということです!

褒めることがちゃんとご褒美になるために、以下の3点に注意しましょう

子供を正しく褒めるために
  1. 正しい行動をした直後に褒めましょう
  2. 褒め言葉を複数用意しましょう
  3. 子供にとって大切な人でありましょう

おやつやお金を使ったご褒美と同じように、「褒める」ご褒美も、すぐに与えることが大切です。
正しい行動をした直後にちゃんと褒めてあげましょう!

また、ワンパターンの褒め方では、「褒められること」になれてしまって、効果が薄くなってしまいます。これを防ぐために、褒め言葉を日頃から複数用意しておきましょう!

最後に、子供にとって大切な人であることも重要です。

見ず知らずの人に褒められたり、自分が気に入らない人から褒められたりしても、あまり嬉しくないと思いませんか?
逆に自分が尊敬している人(両親だったり上司だったり)から褒められると、とても嬉しくなりますよね。

自分が大切に思っている人から褒められることは立派な「ご褒美」なのです。
日頃から子供と遊ぶなど、子供にとって大切な人であり続けましょう。

まとめ

コロ
コロ

ご褒美もちゃんと考えてあげなきゃいけないのかニャ
心理学、やっぱり奥が深いの二ャ

サイコロ
サイコロ

確かにご褒美は子育てに有効だよね。
でもやっぱり大事なのは、自分の子供が何をしたら喜ぶか、普段から気に掛けることだと思うな。

この記事では、子育ての中でも、ご褒美に焦点をあてて、ご褒美を上手に使うコツや、ご褒美を使わない方法について解説していきました。

子育てについては学習心理学や行動主義と呼ばれる分野の知見が役に立ちます。
今後も子育てに関するコラムを書いていこうと思います!

今日はこの辺りで!

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