子どもに適切な声かけは?交流分析で子育てにゆとりとストレス解消!

子育て/教育の心理学
コロ
コロ

先生!友達が子育てに疲れてるらしいのニャ

何かいいアドバイスはないかニャ

サイコロ
サイコロ

そうだね。子育てに関する記事はいくつか書いてきたけど、今日は「交流分析」をテーマに子育てを考えてみようか!

この記事はこんな方にオススメで
  • 子育てのストレスを感じている方
  • 子どもへの声かけの方法を知りたい方
  • 交流分析を学びたい方

みなさんは、子育てでストレスが溜まってしまうことはありませんか?
子どもの言動についカッとなったり、いうことを聞かなくてイライラしてしまったり。

そしてそんな時は、子どもについつい強く当たってしまうことや、逆に何も言えずにストレスを溜め込んでしまう人もいるかもしれません。

この記事では、そんな子育てのイライラ・ストレスの解消方法について書いていきます。

今回は、特に「交流分析」という心理学の知識を使って、子育てのイライラ・ストレスを解消していくことを目指します。
まずは簡単に交流分析の説明から始めましょう!

私たちの心の中には3つの自我がある

交流分析とは

私たちは、日々の生活を送る上で、人とのコミュニケーションを全く取らないで生きていくことはできません。

交流分析とは簡単にいうと、その名の通り「人と人との交流を分析する理論」であり、アメリカの精神科医E.バーン氏によって提唱されました。

私たちは、日頃のコミュニケーションで無意識のうちに自分のスタイルを持っています。
このスタイルは人と人とが関わる中で発揮されて、時には悪さをしてしまうことがあります。

交流分析では、日常のコミュニケーションの場面を分析して、自分のスタイルや相手のスタイルを理解することで、人間関係のイライラやストレスを解消することを目指します。

私たちの心の中には3つの自我がある

交流分析では人の自我(人格のようなもの)を大きく分けて3つに分類します。
その3つとは、「親の自我」と「子どもの自我」と「大人の自我」です。

この3つの自我は普段、場面に応じて現れたり隠れたりして、うまく人間関係のバランスをとっています。
しかし、親子関係でストレスがかかったり問題が起きているときは、この3つのバランスが崩れてしまっています。

このバランスを取り戻してあげることで、ストレスを軽減していきます。

まずは、この3つの自我を紹介していきます。

親の自我 (P)

一つ目が親の自我。これは、自分を育ててくれた人の考え方を取り入れている自我です。

子供に対して思いやりを持って接したり、時には子供を厳しく叱ったりするのがこの自我になります。

この自我は、小さい頃自分がどのように育てられたかに影響します。

たとえば、小さい頃厳しく育てられた子供は、親になってからも自分の子供を同じように厳しく育てる傾向にあります。

交流分析では、親という英語 Parentの頭文字をとって「P」と呼んだりします。

子どもの自我 (C)

二つ目が子どもの自我。子どもの自我とは、文字通り子どものような振る舞いを表します。

大人でも、実は心の中に子どもの自我を持っているのです。

たとえば、子どもと一緒に楽しく笑っている時、子どものしたことにムキになって怒ってしまう時、このような時は子どもの自我が働いてます。

子どもの自我も、幼い頃の自分の経験に影響されます。
たとえば、小さい頃に控えめで前に出ることが少なかったような人は、大人になっても控えめな振る舞いになることがあります。

交流分析では、子どもという英語 Childの頭文字をとって「C」と呼んだりします。

大人の自我

三つ目が大人の自我。この自我は、現実を客観的に分析する役割を担っています。

たとえば、子どもがいたずらするのをみて、「どうしてこんなことをするんだろうか」、「何か理由があるんだろうか」と考えるのが、この大人の自我にあたります。

交流分析では、大人という英語 Adultの頭文字を取って「A」と呼んだりします。

この大人の自我は、これまでに説明した親の自我と子どもの自我を調整する役割を果たしています。

3つの自我
  • P (親の自我):自分を育ててくれた人の振る舞いを取り入れる
  • C (子どもの自我):子どものような振る舞い
  • A (大人の自我):現実を客観的に見る。他の自我を調整する。

大人の自我は見失いやすい

このように私たちの自我は、親と子供、それに加えて大人という3つのタイプがあります。

先に結論から話すと、私たちは感情的になっている時にはこの大人の自我を忘れていることが多いです。

交流分析ではこの大人の自我を働かせて、親の自我と子どもの自我をコントロールすることを目指します。

それでは、ここからはこの3つの自我を上手に使って、子育てのイライラを解消していきます!

大人の自我を意識しよう!

上でも述べたように、親子の関係がうまくいっていない時は、3つの自我のバランスが崩れていることが多いです。

その中でも大人の自我がうまく機能していないことも多いです。

まずは、交流分析の基本は自分が今どんな自我の状態にあるかを見極めることから始まります。

自分の自我を観察しよう

子どもと触れ合っているときの自分の自我を見つめてみましょう

たとえば次のような事例を見てみましょう。

Aさんと息子の例

Aさんは、小学生の息子を持つお母さんです。最近、息子はお母さんの言うことを聞かずに夜遅くまでゲームをしており、朝寝坊を繰り返し、毎日のように危うく遅刻しそうになっています。

その度にAさんは息子を起こしに行くのですが、なかなか布団から出てこないので、毎日のように強く叱りつけなければなりませんでした。

このような日常に、Aさんは次第にストレスに感じるようになりました。

今日も、Aさんが起こしに行っても息子はなかなか布団から出てこないため、ついにAさんはイライラの限界を迎え、「なんで言うことを聞けないの!」と怒鳴ってしまいました。

さて、この事例をみてみなさんはどのように感じましたか。
子どもが言うことを聞かないので怒鳴ってしまう、一度はみなさんも経験があるのではないでしょうか?

この事例を先ほど説明した3つの自我で捉えてみましょう。

Aさんは、朝寝坊を繰り返す息子を起こしにいくという親の自我を働かせています。

しかし、Aさんは、親としての自我を働かせているだけでなく子どもの自我も働いているのです。

どこで子どもの自我が働いているのか気づきましたか?

「なんで息子はいうことを聞かないんだ!」とイライラして怒鳴るのは、実は子どもの自我の働きなのです。

親として、子どもを叱っているはずなのに、実は自分も「子ども」の心で対応している。
これが何よりも問題なのです!

それでは、これをどうやって解消していきましょうか?
ここで登場するのが、大人の自我です!

大人の自我を働かせよう

子育てをはじめ、人間関係で感情的になったりイライラしてしまう時は、大人の自我を忘れてしまうことが多いです。

このような時は、「大人の自分で対処しよう」と自分に言い聞かせてみましょう。

具体的には、大人の自我を働かせて冷静に子供の様子を分析するという意識を持ってみましょう。

たとえば、先ほどのAさんの事例では以下のようになるかと思います。

大人の自我を働かせてみる

Aさんはいつものように、いつまでも起きない息子に「起きなさい!」と声をかけています。

それでも息子は起きてこないので、Aさんはイライラの限界に達しようとしてます。
ただし、今日のAさんはいつもと一味違います。Aさんは、心の中で「大人の自分で対処しよう」と唱えることにしました。

Aさんは落ち着きを取り戻すことができたのですが、一度冷静になってみるといろんなことが見えてくるものです。

たとえば、息子はどうやら叱れば叱るほど、ムキになって頑なに起きなくなってしまうことを発見しました。
そして、今までのように何度も「起きなさい!」と叱るのは逆効果だと気づきました。

そこで、Aさんは「何度も叱るのではなく一度だけにしてみてはどうか」というアイデアを思いつき、ギリギリ学校に遅刻しない時間に一度だけ注意してみることにしました。

そうすると、不思議なことに息子は、一度注意しただけで渋々起きるようになり、時にはAさんが注意する前に起きるようにもなりました。

この例では、Aさんは大人の自我を働かせて今自分が置かれている現状を客観的に分析してみました。

すると、今まで自分が息子に対してとってきた行動が実は逆効果だと気づきました。

この例からも分かるとおり大切なのは、大人の自我を意識してあげることです。

親の自我には2種類あることを知ろう!

ここまでは、大人の自我を活用することが、イライラに効果的であると学びました。
次は、残りの2つ、親の自我と子どもの自我に注目します。

親の自我には2種類ある

親の自我は、自分を育ててくれた人に影響を受けると言いました。
その影響は大きく分けて、2つのタイプに分かれます。

一つ養育的な親のタイプです。

子供に共感し、面倒を見てあげるタイプがこの養育的な親です。

このタイプの人は、育児に限らず、人間関係をスムーズにこなすことができますが、場合によっては親切の押し売りになってしまう可能性があります。

もう一つは批判的な親のタイプです。

このタイプは、正義感や道徳心が強いという長所がありますが、子どもに対して、「〇〇するべきだ」と押し付けたり、子どもの間違いに対して叱りつけるような態度を取ってしまうこともあります。

どちらのタイプも長所と短所があるので、状況に応じて使い分けることが大切です。

イライラやストレスを抱えてしまうような場面では、自分の自我のタイプが状況にあっていないことが多いのです。

子どもと触れ合っているときに自分がどちらの自我のタイプか振り返りましょう。

子どもの長所を記録しよう

特に、子育てにおいてイライラしてしまうときは、「批判的な親」のタイプになっていることが多いです。

このタイプは、子どもの悪い面に目がいってしまうことが多いので、結果的に、子どもの振る舞いに満足できずイライラしてしまったり、子どもを叱りつけてしまうことにつながりやすいです。

もし、あなたがこのタイプになってしまっていると思ったら、子どもの長所を記録してみましょう!
子どもの長所をたくさん見つけてあげることで、批判的な態度を和らげることができます!

子どもの自我は隠さなくてもいい!

先ほど、たとえ親であっても子どもの自我は存在していると言う話をしました。

みなさんは、子どもと遊ぶときに、どんな態度をとっていますか?

親として、子どもよりも一段上の目線になっていませんか?

子供心は無理に抑えなくても良いのです。子どもと遊ぶときは自分も楽しむことが大切です。

とはいえ、子どもと同じ目線になって一緒に遊ぶことに不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

心配ご無用!なぜなら私たちの中には、親の自我と子どもの自我だけでなく、大人の自我Aも存在するからです。

ここでもやはり大人の自我が出てきましたが、まるで子どものように遊んでいても、冷静に状況を見つめる大人の自我を忘れさえしなければ、いつでも親としての態度に戻ってくることができるのです。

まとめ

今回の記事では、子育てのイライラやストレスの解消方法について、「交流分析」の知識を使って勉強してきました。最後に一度まとめておきましょう。

子育てでイライラしないために
  • 自我には、親・子ども・大人の3つがある
  • 感情的になってしまう時には「大人の自分」を忘れている
  • 批判的な親にならないように注意する
  • 批判的な親になりそうになったら子どもの長所を記録してあげる
  • 子どもと遊ぶときは、自分も子どもの心で振る舞う

最後まで読んでくださってありがとうございます!

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