かんしゃく(癇癪)は親のせいなんかじゃない!子どものかんしゃくにはこう立ち向かおう【子育ての心理学入門】

子育て/教育の心理学
コロ
コロ

友達の子どもがしょっちゅう癇癪(かんしゃく)を起こすらしいの二ャ
こういう時は仕方ないけど怒るしか無いのかニャ

サイコロ
サイコロ

癇癪(かんしゃく)っていうのは子どもたちの自己表現の一つなんだ!
子どもは自分の気持ちをうまく言葉にできないことがあるからね。

実は怒るよりも先に対処するべきことがあるんだよ!

この記事では以下のポイントを紹介します
  • 子どものかんしゃくの意味
  • 子どもがかんしゃくを起こしたときの対応

癇癪(かんしゃく)は子育てをしていると、多くの人が直面することがある問題でしょう。

ひたすら泣き叫ぶ我が子を見て、「こっちの方が泣きたい気分だ!」って思う方もいるのではないでしょうか。

今回は、子どもがかんしゃくを起こした時の対応について、行動心理学の観点から考えていきたいと思います!

かんしゃくはなぜ起きる?

自我の芽生えとイヤイヤ期

子どもは2歳前後になると、自我(じが)が芽生えると言われています。
そして自我が芽生え始めるとやってくるのが、イヤイヤ期!

何にでも「イヤ!」というお子さんへの対応にお困りの方も多いことでしょう。

この頃の子どもに特徴的なのが、泣き叫んだり、激しく暴れたりする「癇癪(かんしゃく)」です。

かんしゃくへの対処を考える前に、なぜ子供がこうした行動に出るのかを考えてみましょう。

かんしゃくは子供の自己表現

子どもは大人と異なり、言葉で自分の気持ち全てを伝えることができません。

そこで、子どもは自分の身体全身を使って自分の気持ちを表現しようとします。
その結果が、かんしゃくとして現れてくるのです。

たとえば、上手におもちゃを組み立てられなくてイライラしてしまって暴れてしまう子どもや、お父さんに遊んで欲しい気持ちをうまく伝えられなくて泣いてしまう子どもは、自分の気持ちを身体で表現していると言えるでしょう。

このように、かんしゃくを起こすのにはしっかりとした理由があるということを理解しましょう!

そして、自分の子どもがかんしゃくを通して何を伝えたいのかを想像することが大切です。
子どもの気持ちに寄り添ってあげることも重要です。

また、かんしゃくの理由がわかったら、子どもの代わりにその気持ちを代弁すること、言葉に出してあげることも大切です。
こうすることで、子どもは「受容されている」という感覚を得ることができるでしょう。

それでもかんしゃくが収まらない時は

ここまでは世間一般でよく言われているかんしゃくの対処法です。

しかし、思うようにかんしゃくが収まらないこともあるでしょう。
ここからは心理学の力を借りて、かんしゃくに対処する方法を考えていきましょう!

ポイントは「かんしゃくが自分にとって損だと子供にわからせる」ことです。

レスポンスコスト法で子どもを落ち着かせる

かんしゃくをはじめとして、子どもの望ましくない行動を減らす方法としてレスポンスコスト法があります。

レスポンスコスト法は行動心理学の知見が元になっています。

人は「ご褒美」があると頑張れる

「お手伝いしたらお小遣いをあげる」

この言葉を聞いたことのある方や使ったことのある方は多いのではないでしょうか?

人は「ご褒美」があると、面倒なことでも頑張ってやろうとします。
特に子どもにはこの方法は有効でしょう。

子育てにおいて、「ご褒美」を用意することは効果的な方法の一つです。

かんしゃくを起こすと楽しみが減る!

レスポンスコスト法は、この考え方を逆手にとります。
つまり、「かんしゃくを起こした時にはご褒美を少なくする」のです。

例をあげて説明しましょう。

おやつを食べているときにかんしゃくを起こして大好きなジュースをこぼしてしまったA君。

お母さんは怒らずにこぼれたジュースを拭き取りましたが、コップに新しくジュースを注ぐことはありませんでした。

その代わりに、お茶やミネラルウォーターをあげて子どもにこう言いました。

残念だけど、こぼしちゃったから今日のジュースはもうおしまいね。

同じような体験を何度か繰り返すうちにA君はおやつ中にかんしゃくを起こす頻度が減っていきました。

A君は自分がかんしゃくを起こしたせいで、楽しみにしていたジュースがなくなってしまったのです。

このように、「自分の行動のせいで、自分の楽しみが減ってしまう」という体験によって、かんしゃくを減らしていこうとするのがレスポンスコスト法です。

ポイントは、かんしゃくを起こした時に「叱りつける」のではなく、「自分の行動のせいで楽しみが減ってしまった」と理解してもらうことです。

また、叱ったり叩いたりと子どもに「罰を与えなくていい」というのもこのレスポンスコスト法のメリットです。

ついついカッとなって叱りつけてしまいそうになりますが、そこはグッとこらえて冷静に振る舞いましょう!

他にもレスポンスコスト法はこんな使い方ができます!

レスポンスコスト法の例
  • 暴れてジュースをこぼした子どもに、それ以上ジュースを与えない
  • おもちゃを壊した子どもに、新しいおもちゃを買うのを少し待ってみる
  • 公園で子どもが暴れ出したら、遊んでいる途中でも連れて帰る

「かわいそうだから」は逆効果?

お母さんお父さんの中には「かわいそうだから」と言って、上の例でもすぐに「新しいジュースを注いであげる」人もいるかもしれません。

しかし、それでは子どもは「かんしゃくを起こしてもまた新しいジュースをもらえる」と学んでしまうかもしれません。

また、せっかくの子どもの成長の機会を奪ってしまうことにもつながります。
んしゃくを起こして損をする経験を通して、子どもは自分の行動について考える機会になります
ぜひ、子どもの成長を見守ってあげましょう。

まとめ

今回は、かんしゃくを起こした子どもへの対応について学んできました。

かんしゃくを起こした子どもの対応のポイントは下記の通りです。

子どものかんしゃくに対応する時のポイント
  • かんしゃくは、子どもの自己表現の手段であることを理解する
  • 子どもが何を伝えようとしているのかを想像して対応する
  • 収まらないかんしゃくには、自然に「ご褒美」を減らすことで、「かんしゃくが自分にとって損だ」と子供に理解させる

長くなってしまいましたが、今回はここまでにします!
最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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